ペット関連のトラブルが生じたときに駆け込み寺があるのなら安心

ペットに関する「?」がついた時に、何でもご相談いただける団体に オーナーズエージェント株式会社 経営企画部部長 先原 秀和 × 全国ペット共生住宅認定協会 理事 渡邊 宏

先原 渡邊さんと知り合ったのはCPM(米国不動産経営管理士)のセミナーでしたね。
渡邊 2013年頃ですね。最近ではやっと認知が進んできてよかったと思っています。
先原 本日はペット共生住宅認定協会を立ち上げたという噂を聞いて、こうしてお話を聞きに来たんですが、何かきっかけがあったんですか?
渡邊 もちろん私自身、犬や猫を飼っていますし、ペットに対する思い入れがあります。きっかけは2019年の夏に、あるセミナーの懇親会でのことですね。集まっていたのは全員ペット業界の方で、私が不動産業だと伝えたら、ペット可の物件についてこんなことを聞かれたんです。

動物愛護法の観点からどう指針を作っているか?

災害が起きた時の避難のガイドラインはあるのか?

衛生管理の基準はどうしているのか?

恥ずかしながら私は一個も答えられなかったんです。

先原 確かに、そこまで徹底している物件はないですよね。
渡邊 ペット業界の方からは「あなたたちは収益のことだけ考えてペット可って言っているだけでしょう」って、冗談半分でもそう言われて(笑)。
「このようなチェックリストをクリアしたらペット共生可能とお墨付きを与える認定機関をつくったらどうか?」
と言われたんですね。200以上のチェック項目があり、非常に感心しました。これをしっかりと守るオーナーが増えたら、皆さまが安心して住める物件になると思ったんです。
先原 キャットウォークや足洗い場などハード面に目が行きがちですからね。避難経路なんて考えたこともなかったです。
渡邊 例えば犬だったらゴールデンレトリバーをご年配の方が抱えて避難するわけにはいかないですからね。里親募集のコミュニティーサイトを運営している会社と連携して、ペットを大切にする方向けの情報発信を行っていこうと考えています。動物病院、霊園など、ペットが好きでも難しい問題はたくさんありますからね。
また認定物件になれば賃料も高くなるので、我が子のようにかわいがる方だけが入居しますから、入居者層もよくなるというメリットがあります。
先原 認定してもらうためには、管理会社が加盟するということですか?
渡邊 管理会社さんには業務の特約店として間に入ってもらって、オーナーさんに加盟してもらうという図式ですね。もちろんご自分で認定物件になるようにリフォームしてくださってもいいですが、「ペットのことなんてわからない! 」って人もいらっしゃるでしょうから、そこは私共でコンサルティングをさせていただこうと思います。
先原 ペット可の物件はアレルギーや騒音など、何かとトラブルがありますから、そこをお任せできるとありがたいですね。
渡邊 管理会社の視点から考えると現状回復に使うペット可物件のクロスなどの価格を見ると、「これでは採算が合わない」という価格設定のものもあるんです。ペット共生と不動産収益の両方の観点からアドバイスができるのが私の強みだと思いますね。
先原 渡邊さんにしかできないお仕事ですね。
渡邊 大切なのは情報提供ですね。住む方も管理会社も、そしてオーナーさんもそれぞれの視点で悩みがありますから、その不安を解消して初めてペット可からペット共生になると思います。ペットに関することで「?」マークが浮かんだらまず私共に相談していただくという組織にするべく努力いたします。